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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第109号       ’01−10−05★

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     祈るべし     

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●日曜日(9月23日)の昼前、

 

NHKTV1<あなたのアンコール>を観て、マイリマシタ。 それは

<NHKスペシャル テロ無差別殺人の戦慄>、昨年末放映の<世紀を

越えて>シリーズの一つ。 あの時もちゃんと観てたつもりでしたが、、

 

「今や唯一の超大国となったアメリカがテロの標的に、」という結びを

憶えていたことからも一度観たことは確かなのに、心への響きが今回は

まるで違いました。  おお、こんなにも予言的な番組だったのか!

 

まことに不明の至り。 前回ソウカネエで過ごしたことを悔やみました。

<同時多発テロ>の現実を見た後の今、「昔はものを想わざりけり」の

心境を、頭を掻きながら味わっております。

 

とにかく経験(遙か彼方の事件、しかもメディアを介して、という擬似

的なものではあっても)しなくちゃ結局はワカラナイ、、 アタマでは

分かったつもりでも、、 の自分であったことを痛切に知らされた次第。

 

 

別の番組でマイッタのは「民間航空機をハイジャックし、マンハッタン

の高層ビルに乗客ごと自爆するようなことも起こりうる」という、あの

事件そのままの記述がすでに公開されていたこと。 チラリなので確か

ではありませんが、柘植久慶著<サバイバルテキスト>。 それは、

 

その種の環境に身を置き、実戦的な体験を積んだ人であればこその予見。

ウーン、知識の時代とは言いながら、やはり大切なのは経験を積むこと

ですな。 その観点からすると我が国、政治や行政のリーダーたちの中

に、頼れる人などいないんじゃないか?  実戦体験なし、だもの。

 

それに比べるとアチラの事情は、ずっと頼もしく見えます。 ブッシュ

大統領の周りはチェイニー、パウエル、ラムズフェルド、アーミテージ、、

みな軍の出身、もちろん優れた実績のある人たち。

 

事件直後の声明が「これは戦争だ」となったのは彼らの身に着いた経験

ゆえでしょう。 やられたんだから、やり返す、、 何やら<西部劇>

の雰囲気ですが、敵討ちや仕返しは開拓時代以来の伝統文化。

 

そのDNAが言わせたのでしょう、DEAD OR ALIVE! 「必ず探し出して

裁きを受けさせる」と来ました。 それに続いた「無限の正義」という

錦の御旗みたいな作戦名も、やはり<文化>ゆえでしょうな。

 

大袈裟なのはアチラ風、と善意に解釈するとして、何でもされるがまま、

男がオトコでなくなったような日本人の現状からすると、戦うオトコが

未だ生きているアチラはむしろうらやましい。

 

だが、待てよ。 経験が必ず生きるとは、、、

 

*   *

 

<非対称>、これまでの戦争とは全く異質だ、と彼ら自身も言いながら、

現地に向かわせているのは空母や爆撃機、、 <いつもの戦争>の構え、

、に見えるぞ。 <これまでのとは異質な戦争>に対応できるのかな?

 

テロは許さない! その激情が彼らの経験を呼び覚まし、反射的に拳を

振り上げた形ですが、この拳、うまく下ろせれば良いが、、 

 

相手が本当に<奴ら>なのか、<奴ら>だとしてどこに潜んでいるのか、

場所が分かったとしてどう接近するのか、攻めるのか、、

 

巡航ミサイルなどのピンポイント直撃が成功しても、不毛の山肌に穴を

幾つか増やすだけ。 <点>じゃダメ、全<面>制圧でなくちゃ。

 

いずれ地上部隊を送り込まなくてはならないが、そこは「生きるだけ」

で消耗してしまうくらいの過酷な環境。 しかも相手は、大英帝国軍も

ソ連軍も退けた実績ある誇り高き連中です。 それに、

 

************

 

 

 

●振り返ってみると

 

「正義」は<奴ら>の決まり文句でもありました。 まして「無限の」

となると、当てはまるのは神様だけでしょう。 たとえばアラーとか。

 

それを異教徒が掲げるなんて<奴ら>が許すまい、と気を揉んでいたら

間もなく異教徒側も気付いて「不朽の自由」に改めました。 やれやれ。

しかも<不朽>Enduring には<忍耐>の意味もある、対テロ戦は短期

では済まない、という警告的な解説付き。  まさか<無期限>じゃ?

 

シュレジンジャー元国防長官は「テロの時代は今後25年続く」と言う。

<25年>の根拠は知りませんが、相手はいわば異常者。 それを僅か

1世代で<健常者>に変えられますかね?  だいたい<テロ>とは、

 

「暴力的手段で政治的対立者を威嚇する行為」。 多数派である体制側

がテロ行為に走る必要は滅多に無いだろうが、<不満を抱く少数者>は

常に存在するし、それが破壊的活動を試みることはいくらでもあり得る。

 

ハイテク化は破壊者にも恩恵をもたらすし、経済や情報のグローバル化

が富の偏在傾向に拍車をかける。 人間はもともと不公平にしか出来て

いないし、隣の芝生は必ず青いもの。 これらは25年後も変わるまい。

 

誰にでも自然発生する不満はむしろ意欲の原動力ですが、積極的、病的

に創出するタイプの人もいて、不満のタネをいくらでも見付け出します。

 

たとえばコーエン前国防長官は、標的にされた理由を「アメリカが突出

していること、親イスラエルであること」としていますが、25年後も

アメリカは世界のナンバーワンだろうし、ユダヤ系の影響力は衰微して

いないだろう。 それが面白くない人も、減ってはいないだろうから、、

 

やはり<無期限>でしょう、<根絶>など望むべくもない。 とにかく

これまで(も危険は存在したが)のような平和や安心が戻って来ること

は、もうあり得ない。 シュレジンジャー氏も、<25年>の先は良く

なる、とは言わなかった。  別の恐怖が待っている、、 かも。

 

 

しかし謎ですな、ビンラディン。 伸びやかな三日月眉、優しげなヤギ

の目。 激した風も無い声と表情で、やたら恐ろしいことをのたまう。

「アメリカ兵を殺すことは大変良いエネルギーの使い方だ」、、

 

アラビヤ語は聴いても分からないから、画面の翻訳文を信じるほかない。

が、あのまま信じて良いのか、どうか?  どの映像も日付は古いし、、

 

だが、そう言われたアメリカ軍は穏やかでいられないだろう。 すでに

アチコチで仲間がやられてもいる。 そこへ膝元に1発。

 

「人間に行動を起こさせるのは理性ではない、感情である」と言う通り、

立ち上がるのが先。 理性を働かすのは、始まった行動の正当化や補強

のためですから、一拍遅れになる。

 

1991年のクェイト湾岸戦争の時は、前年8月のイラク軍侵攻から半年間、

リクツを整える余裕がありました。 先代ブッシュ大統領は、TV演説

でそれを説明していわく、「国際正義を回復せねばならぬ。 この戦い

 

の狙いは二つ、サダム・フセインをイラクに追い返し、クェイトに正統

政権を復活させることである。」  <ステートメント>も<狙い>も、

明快です。 それらを最も良く満たす案として<砂漠の嵐>作戦が選定

された、と言えるでしょう。 比べて今回、ブッシュ Jr.は、

 

発端があまりにも直接的、劇的、かつ被害甚大でしたから、国民の動揺

を鎮め、国論を統一することが急務。 演技過剰はそのせい、と大目に

見る必要があるでしょうが、それにしても先代ほどの出来ではなかった。

 

ステートメントが初めから<報復>や<根絶>では、些か短絡的すぎで

選択肢が限られてしまうし、 MUST や WANT にもカタヨリが生じ、成果

が挙がりにくくなる。 マイナス影響の読み方も十分ではなさそう、、

 

しかし、始めたんだから成功させにゃ。 となると、PPAで補強する

のみでしょう。 困るのは、それに盛り込むべきコンテンツが、未体験

領域だけに乏しいこと。 想像力も働かせにくい、、

 

良心的には、ステップ・バックして「良き決定はPAから」とすること。

その決定が迫られたのはテロ行為で被害が生じたからですが、しからば

そのテロが生じた原因は究明しなくて良いのか? ということ。

 

*   *

 

たとえば<突出的繁栄>も<親イスラエル>も、長い歴史を重ねた末の

現実で、それは世界の大多数によって良しとされていたことです。 が、

 

遡れば1948年の<イスラエル建国>は一種の環境破壊。 しかしそれは、

ユダヤ系への必要な配慮でした。 その是非を論じるならバビロンの昔

まで、、  政治と宗教、不可分の時代。 

 

こりゃもう<神様>のレベル。 それなら、と手近の「神との対話」を

ひもとくと、、 おお、さすが<神>様らしい説得力。

 

  「あなたがたが創り出すものはすべて、、、神の計画のなかにある。

  、、、悪と言うが、それはあなたがたがそう呼ぶだけだ。 、、、

   すべては相対的である。」  (1) p.86/7

 

善と悪、区別すべくもないわけ。 どっちから、どう見るか、、、

 

  「<腐ったリンゴ>などというものはない、、、あるのは、あなた

   の考え方とは違う考え方をする人、違う世界のモデルを作り上げ

   ている人だけだ。  いいかね、どんな者でも、自分なりの世界

   モデルにてらせば、何も間違ったことはしていない」 (2) p.61

 

<モデル>を要素、たとえば MUST 、 WANT に分解して突き合わせれば、

お互いの違いはすぐ分かるし、要素単位で交渉すればあるいは妥協点も

見いだせるかも。 さらに、国際関係も人間関係のフラクタルと見れば、

 

  「真の意味では、失敗した関係というものはありえない。 ただ、、、

   望んだ通りにならないという意味での失敗があるだけだ。

 

   人間関係が失敗し変化してしまうのは、最初にその関係を結んだ

   理由では関係を続けられなくなったとき、、、」 (1) p.165

 

確かにその後アメリカは、イランとも、イラクとも、その他の諸国とも、

ずいぶん手前都合に関係の持ち方を変えました。  さながら使い捨て。

 

この本の<神>様は私好み、既成宗教には手厳しい。 それが大統領の

好みに適わないかも知れないが、参考にしてもらえないかな、、

 

*   *   *

 

ところで思い付いて、本の著者がテロ事件以後どんな気持ちでいるのか

と探したら、ありましたよ。

 

 http://www.peace2001.org/gpc/neil_n_james.html

 

彼の<神>様からのメッセージではなく、同志と連名の呼びかけでした

が、この事件については「愛で応じよう。 非難の根拠ではなく、原因

を指摘することに努めよう。 神と対話してアドバイスを求めよう、、」

 

おや、私の筋立てと似てるぞ。 どう締めくくったものか、と悩みかけ

たところだったが、<神>様と筆談できる人ですら<祈る>心境とは、、

 

少し気が楽になりました。 巨大な難問に直面した人は、普通、思わず

祈るものです。 即ち「困ったときの神頼み」。 しかし本当に困った。

あの暴力行為を見ては、<神>様のように平静ではいられない、、

 

ともあれまず祈り、建設的な<ステートメント>を定めるべきでしょう。

Rational Process は、そのあとのツール!

              ウーム、これじゃCMになりませんな、、

 

                          ■竹島元一■

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